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地域プロスポーツクラブの成長原則<後編>

こんにちは!

スポーツで社会課題を解決するスポーツビジネスコンサルタント・行政書士の小川裕史です。

前回は、地域プロスポーツクラブの成長原則<前編>をお話ししました。

今回は、地域プロスポーツクラブの成長原則<後編>と題して、地域プロスポーツクラブの成長に必要な8つの要素についてご紹介します。

※今回も前回と同様に、川崎フロンターレを人気クラブへと導いた天野春果さんの講演会(東京都広域スポーツセンター主催「プロスポーツクラブから学ぶ~スポーツの力で魅力あるまちづくりの活用」2019年12月4日開催)でのお話をもとに記事を執筆しています。

地域プロスポーツクラブが満たすべき8つの要素

①地域性

川崎フロンターレは、フロンターレではなく「川崎」という地域を前面に押し出して、川崎の人々に認識してもらおうと活動されたそうです。

応援してもらうクラブになるためには、その地域を象徴する存在だと認識してもらうことが大切なんですね。

そのために地域の歴史、特徴、立地、特産品、住民の属性など、その地域の人々がどんなことを誇りにし、どんなことに喜びを覚えているのか捉えることが必要になります。

このような地域性をいかにクラブの”イロ”に反映していくか、検討してみましょう。

②話題性

地域クラブの場合、特定の地域に限定されてしまうため、発信力がどうしても弱くなりがちです。

だからこそ「地域×〇〇」といったような話題づくりに取り組むことで、地域の人々のみならず、他地域の人々にも興味や関心を持ってもらい、発信力を強めることができます。

このとき注意したいのは、決して自己満足に陥らないことです。

時代の流行り廃り、地域内外の人々が興味を持ちそうなものをしっかりと下調べして、事業を展開していきましょう。

③社会性・公共性

展開する事業が社会にどのような効果をもたらすのか、多くの人々にとってどのように有益であるのかという観点も欠かせません。

特に株式会社のような営利法人であれば、このような観点を持たずに事業を行うと、一企業が私腹を肥やすためになぜ協力しなければならないのだ、という反発を受けかねません。

単なるお金儲けのためではなく、世のため人のためになる、ということを念頭に事業を検討してみましょう。

④継続性

意外と忘れられがちな継続するということ。

せっかく地域プロスポーツクラブに愛着を持ってもらったのに、それがなくなってしまったら地域の人々はどれだけ悲しむでしょう。

またいわゆる一発屋のように、突発的におもしろい企画を行って興味を持ってもらっても、それが継続できなければ、地域に浸透することはないのです。

その意味で継続することはとても大切なことなのです。

長い間地域に根付いていくものであるという認識をしっかり持ちましょう。

⑤低予算

地域プロスポーツクラブが創立時から資金が潤沢にある、ということはなかなかありません。

限られた予算の中で、どのように展開していくのかを考える必要があります。

しっかりと自らが行動してネットワークをつくり、ノウハウを蓄積していくのです。

低予算の枠の中で何ができるのか、あなたの中のクリエイティビティを発揮していきましょう。

⑥遊び心

ビジネスやマーケティングを考え始めると、概してお堅くなりがちです。

そしてそのお堅さはほとんどの人々に受け入れられることはないのです。

いかに楽しくするか、この問いかけを必ず行うようにしましょう。

そして、あなた自身が仕事を楽しむ心を忘れないようにしましょう。

 

⑦チープクール(くだらないことを徹底的にする)

天野さん曰く、チープクールとはくだらないことを徹底的にすることだそうです。

あなたは「イグノーベル賞」というものをご存知ですか?

人々を笑わせ、そして考えさせてくれる業績や風変わりな研究などを行った人に、ときには笑いと称賛を、ときには皮肉を込めて贈られるノーベル賞のパロディです。

くだらないことを徹適的に突き詰めることは、称賛に値することなのです。

やりきることを大事に取り組んでいきましょう。

⑧ハートウォーム

最後にハートウォーム、これは説明するまでもないかもしれませんね。

心がホッとするようなこと、です。

ともに喜び、ともに怒り、ともに哀しみ、ともに楽しみ…まるで家族のような心安らげる場所。

それが地域プロスポーツクラブを中心としたコミュニティの理想像なのではないでしょうか?

 

以上の8つの要素を満たす取り組みは、まず失敗しないという天野さんでした。

ただし、これらを広報・プロモーションすることも忘れてはいけません。

メディアが取り上げるということは、そこに相応の価値を感じているということです。

どんなにいいことをやっていても知られていなければ、やっていないのと同じなので、広く知ってもらうための取り組みをお忘れなく!

 

今回は以上です。

最後までお読みいただきありがとうございました。

スポーツビジネスコンサルタント・行政書士
小川 裕史