こんにちは!
スポーツで社会課題を解決するスポーツビジネスコンサルタント・行政書士の小川裕史です。
昨今海外のスーパースターが来日して盛り上がりを見せているJリーグ。
Jリーグには百年構想というものがあり、それを実現する手段としてシャレンなる取り組みをしています。
プロサッカークラブが社会のためにできること、地域のためにできることを体現しているのですね。
そんな中よく成功事例として挙げられるのが、川崎フロンターレです。
川崎フロンターレは、創設当初は全く観客が集まらないクラブチームだったそうです。
しかし今では、チケットを手に入れるのが困難になるほどの人気を集めています。
いったいどのようにして、川崎フロンターレが人気を獲得していったか知りたくないですか?
そこで今回の記事では、地域プロスポーツクラブの成長の秘訣についてお話していきます。
※今回は、川崎フロンターレを人気クラブへと導いた天野春果さんの講演会(東京都広域スポーツセンター主催「プロスポーツクラブから学ぶ~スポーツの力で魅力あるまちづくりの活用」2019年12月4日開催)でのお話をもとに記事を執筆しています。
あなたのクラブは“イロ”を持っていますか?
天野さんは、大学時代をスポーツ大国・アメリカで過ごしたといいます。
大学構内にある寮、その建物の目の前にある大きな競技場。
人口2万人の町に、6万人収容のスタジアムを有する大学。
そんな環境で学生生活を送ったそうです。
アメリカ人にとってスポーツはお祭りです。
ルールがわからなくてもみんなで行くのがアメリカンスタイル。
2019年大成功のうちに幕を閉じたラグビーワールドカップ2019™では、「にわかファン」という言葉をよく耳にしましたが、アメリカ人にとっては全く意味をなさない考え方なのかもしれません。
そんなアメリカの観戦スタイルを見てみると気づくこと、それは必ず大学や地域といったコミュニティには“イロ”があることです。
クラブカラー、コミュニティカラーがあるのです。
天野さんはこの“イロ”がコミュニティに重要であり、コミュニティの一人ひとりがアイデンティティを形成するのに役立つといいます。
ラグビーワールドカップ2019™のとき、日本代表のユニフォームを着て応援した人も多いのではないでしょうか?
赤と白の日本代表カラーを身にまとって、日本コミュニティを形成していたんですね。
でも日本代表は、競技によってカラーが違いますよね。
サッカーのサムライブルー、バレーボールの火の鳥(赤)JAPAN。。。
ブラジル代表と言えばカナリア、アルゼンチン代表と言えば水色と白といったように全競技のカラーが統一された国もあります。
何はともあれ、“イロ”、カラーは大切だということ。
もしまだあなたのクラブが“イロ”を持っていないのであれば、ぜひ地域を象徴する“イロ”を決めてみましょう!
成長のためのマインドセット
アメリカで学生時代を過ごした天野さんは、日本のスポーツ振興に携わるため日本でお仕事を探していたのだそうです。
帰国して日本のスポーツの環境を見て、あまりの盛り上がらなさに愕然としてしまいました。
そんなときフロンターレがプロ化するという話が記事になっているのを見つけて、直接電話してみました。
依頼されてないにもかかわらず、7つくらい企画書を持って会いに行ったというからすごいですよね。
その中の一つが面白いとなって、フロンターレに所属することになりました。
そんな天野さんが大事にしている3つの心構え・マインドセットは
①「成功と失敗」の意識は持たない
②「体感」こそすべて
③「謙虚さ」
だということです。
>①「成功と失敗」の意識は持たない
「成功した」と思うと、人はそこから学ぼうとしないし、「失敗」は「失う」「敗れる」という非常に重い言葉だから、その価値判断が好きではない。
上手くいった、上手くいかなかったと考えると、じゃあ次もっと上手くやるには、こんどこそ上手くやるには、という考え方になる。
「成功と失敗」というラベルは、そこで完結してしまうニュアンスがあるんですね。
②「体感」こそすべて
天野さんが大切にしているのは、「聞≺見≺験≺感」。
「百聞は一見にしかず」というように「聞くこと」より「見ること」、「見ること」より「経験する」こと、そして何度も「経験」して「感じる」こと。
「感じる」ことができるようになるまで、何度も何度も繰り返すということが大切。
特に地域プロスポーツクラブのトップは「体感」していないのはダメ。
あなたのクラブのトップは「体感」していますか?
③「謙虚さ」
「謙虚さ」というとへりくだるというイメージがありますがそうではありません。
謙虚でいれば、常に貪欲でいられる、つまり最大の攻撃的姿勢でいられるのです。
満足してしまったら、そこで終わってしまいます。
しかし「謙虚さ」をもって満足せずにいれば、また新たな一歩を踏み出せます。
次の行動の原動力にすることができるのです。
今回は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
スポーツビジネスコンサルタント・行政書士
小川 裕史